パンとご飯、太りやすいのはどっち?

- update更新日 : 2025年05月27日
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腸と血糖の視点から徹底比較!

私はパンを食べると太りやすいです。かといってご飯は太らないかというとそうでもなく、パンよりご飯の方がマシという感じです。

みなさんはそんな経験、ありませんか?実はこの違いには、GI値だけでなく、でんぷんの構造や腸内細菌との関係、そして調理法までもが影響しています。

今回は「パン vs ご飯」どちらが太りやすいのかを、科学的に紐解いてみましょう。

GI値だけでは語れない「粉と粒」の違い

粒と粉パンとご飯の一番の違いは、精製された「粉(小麦粉)」か、それとも「粒(米粒)」かという点です。

パン:小麦粉が原料。
すでに細かく粉砕されているため、消化酵素による分解が早く、血糖値が急上昇しやすい。

ご飯:米粒のまま調理。
粒状の構造が残っていることで、咀嚼や消化に時間がかかり、血糖値の上昇が緩やか。

このため、同じ炭水化物量でもパンの方がインスリンが大量に分泌され、脂肪として蓄積されやすい傾向があります。

 

レジスタントスターチ(RS)の影響

バナナ炭水化物の中には、人間の消化酵素では分解できず、大腸で腸内細菌によって発酵される「レジスタントスターチ(RS)」というものがあります。

ご飯は冷やすことでRS(主にRS3)が増える

パンにはRSがあまり含まれず、冷やしてもRSはほとんど増えない

RSは腸内細菌のエサとなり、酪酸などの短鎖脂肪酸を産生して腸内環境を整えるとともに、満腹感や脂肪の蓄積抑制にも貢献します。

  • 冷やごはんや冷製パスタなどの“冷やした炭水化物”は、太りにくい炭水化物になることも!

RSの主なタイプと含まれる食品

タイプ特徴含まれる食品例
RS1食物の細胞壁で物理的に守られている玄米、豆、全粒穀物など
RS2生のままで酵素が作用しにくい構造青バナナ、生ジャガイモ
RS3加熱後に冷却することで再結晶化してできるタイプ冷やごはん、冷パスタ、冷じゃがいも、冷やしうどん など
RS4人工的に加工された化学的RS特定の食品添加物や加工食品

血糖値だけでなく「腸内細菌」への影響も

腸内フローラ近年の研究では、太りやすさは血糖値の変動だけでなく、腸内細菌の構成にも関係していることがわかっています。

ご飯や豆類などは酪酸産生菌やビフィズス菌を増やす食物繊維やRSを多く含むパンや菓子パン類は高脂質・高糖質で、悪玉菌やバクテロイデス属が優勢になりやすい。

腸内細菌は「どのようにエネルギーを吸収するか」にまで影響を与えるため、長期的には腸に優しいご飯の方が太りにくい体質を作ると言えるでしょう。

腸内細菌がRSを発酵してつくる物質

産物役割・効果
酪酸・大腸細胞のエネルギー源
・抗炎症作用
・がん予防効果
酢酸・腸内のpHを下げて悪玉菌を抑制
プロピオン酸・肝臓での脂肪合成抑制

特に酪酸は、腸の健康を守るキープレイヤーとして非常に重要です。

RSがエサになる代表的な腸内細菌

菌の名前RSとの関係期待される効果
ビフィズス菌RSを分解・発酵する整腸、免疫調整
ファーミキューテス門の酪酸産生菌RSを発酵→酪酸産生抗炎症、腸粘膜の修復
バクテロイデス属多様な多糖を分解するが、RSも一部利用腸内バランス維持

腸内細菌まとめ

  • RSは腸内細菌(特に善玉菌)のエサ=プレバイオティクスとして働きます。
  • 特に酪酸産生菌を増やし、腸粘膜保護や炎症抑制に寄与します。
  • 長期的には、代謝改善、アレルギー抑制、肥満リスク低下にもつながります。

まとめ

パンとご飯、どちらが太りやすい?

比較項目パンご飯
GI値高い(特に白パン)やや高い〜中程度
消化スピード速い(粉状)やや遅い(粒状)
RS(太りにくさ)少ない冷やすと多くなる(RS3)
腸内細菌への影響悪玉菌が増えやすい善玉菌が増えやすい

結論:ご飯(特に冷やごはん)はパンに比べて太りにくい。

もちろん、個人差や全体の食生活にもよりますが、「同じ炭水化物ならご飯を冷やして食べる」ことは、腸にも体重にもやさしい選択肢になりますよ!

興味がある方は、「冷やごはんが太りにくい理由」もぜひチェックしてみてくださいね。