気お付けよう、そのストレッチ

- update更新日 : 2024年03月01日
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目 次

そのストレッチで大丈夫?

1日の終わりやスポーツ前後にストレッチをされる方も多いと思いますが、そのストレッチで大丈夫ですか?

多少痛みがあるぐらいじゃないと効果がないと思っていませんか?

おどろいて一言そんなふうにストレッチをするのは、筋肉にとっては逆効果。

むしろ柔軟性を低下させてしまう可能性もあります。

無理にギュウギュウと力を込めてストレッチをしてしまうと筋肉に力が入ってかえって伸びにくくなり、優しく伸ばしてあげると徐々に力が抜けて筋肉は伸びやすくなるのです。

私たちが腕をぶつけたりして「痛み」を感じると、自律神経の交感神経が働き、周辺の運動神経が興奮して筋肉の緊長が起こります。
痛みには出血をともなうことが多いですから、これは筋肉が緊張して血流を悪くすることで出血を最小限に抑えようとする防衛反応です。

ですから、 痛みを感じるほどのストレッチでは交感神経や運動神経が興奮してしまうと、筋肉はのびにくくなります。

ストレッチで筋肉をゆるめたいなら、 「イタ気持ちイイ」ぐらいでもかえってマイナスなのです。

筋肉を伸ばすには、筋肉が脱力していることが第一の条件です。

優しく、痛みを感じない範囲で伸ばして、筋肉の頑なな心をほぐしながら行うのが正しいのです。

効率よくストレッチを行うには?

日差しストレッチは朝イチではなく、体温の高い日中におこなうべきです。

筋肉はリラックスしているとうまく伸ばすことができるのですが、気温や体温が低いと緊長、収縮をしてしまい、うまく伸ばすことができないのです。

起きている時間の中で、寝起きは最も体温が低いため、最もストレッチに不向きな時間といえます。

理由はコラーゲン

筋組織人は恒温動物で、36.5度前後の体温を維持していないと身体の機能がうまく働かず、生命が維持できなくなります。

この体温を維持するために熱をつくっているのは、おもに肝臓、脳、心臓、そして筋肉です。

特に筋肉は外気温の変化に敏感に反応して、発生する熱量を調整します。

筋肉は筋線維という細長い細胞の束でできていますが、この線維の間にはコラーゲンが混ざっています。

筋肉を包む膜(筋膜)の主成分もコラーゲンで、筋線維と筋線維の間にもコラーゲンが存在しています。

柔軟性の良し悪しは、筋線維そのものの変化よりもこのコラーゲンの状態が大きく影響します。

筋肉の温度が高くなるとこのコラーゲンもその熱を受けて温まり、ゲル化といって柔らかい状態に変化し弱い力でもスッとのびやすくなるのです。

注意

注意朝イチのストレッチが全く無意味だというわけではありません。

やらないよりはやったほうが確実に柔軟性は高まります。

そしてストレッチの優しい刺激により心身を覚醒させ午前中の活動を高めてくれ、消費エネルギーを増やすという効果も期待できるでしょう。

反動をつかうな?

長座前屈「ストレッチをする時に反動を使ってはいけない」と言われたり聞いたりした事はないでしょうか?

じつは、反動をつけずに静止するのもストレッチなら、反動をともなって行うのもストレッチなのです。

どちらも正しく、 大切なのはそれぞれの特性を知って使い分けをすることです。

静的ストレッチと動的ストレッチ
静的ストレッチ
筋肉が伸びた状態を一定時間キープする方法

動的ストレッチ
反動=反対動作をともなって筋肉の伸び縮みを繰り返す方法
動的ストレッチにはさらに2種類に分けられます。

  1. ダイナミックストレッチ
    立って移動しながら、腕や脚、体幹を左右交互に大きく動かす方法。

  2. バリスティックストレッチ
    静的ストレッチのポーズに反対動作をつけて行う方法

マット動的ストレッチには、伸張反射を引き起こすためケガをする恐れがあるというのが、反動を使ってはいけないといわれる理由です。

筋肉は無理やり伸ばされると切れてしまったり、関節が壊れてしまう可能性がありますが、筋肉にはそうならない様に備わった、反射的に縮もうとする機能、 「伸張反射」があります。

伸張反射が起きると筋肉は伸ばしにくく、その状態で無理に伸ばすと筋肉を伸ばしすぎてケガをする可能性があります。

しかし、筋肉を伸ばせば「伸張反射」は自動的に起こるものですから、反動や伸張反射そのものは悪者ではありません。

過度に伸ばすとケガをするのは、静的ストレッチでも動的ストレッチでも同じことです。
いずれのストレッチでも、痛みを感じない、適度な強さでコントロールしながら行えばよいのです。

『ウォームアップ=ストレッチ』にしていませんか?

おどろいて一言ウォームアップで静的ストレッチをたくさん行うと、かえってパフォーマンスは下がりやすくなります。

動的ストレッチと静的ストレッチを 使い分ける必要があります。

静的ストレッチは伸ばした筋肉の緊張あるいはこりを解く効果、また複数個所をじっくり行えば、心身のリラクセーション効果があります。

動的ストレッチには血流を促進して、疲労を軽減したり、むくみを改善するなどの効果、また全身くまなく行えば体を温めるウォームアップ効果があります。

この様な特性を考えると、ウォームアップを静的ストレッチメインでしてしまうのは、これから体を動かそうというのに、筋肉・全身が弛緩して力が出にくくなります。

注意

注意座ったまま、あるいは立ったまま同じ姿勢を保持している事が多い方は、 姿勢をキープするための筋肉が緊張しています。

ここからいきなり動的ストレッチを行うのは負担が大きくかかります。

そこで、静的ストレッチを立ったまま、複数の筋肉を強めに手短に行い、 いったん姿勢維持のために緊張していた筋肉をリラックスさせます。

次に 動きの大きな動的ストレッチを行い、 最後に速歩やランニングなどの全身運動を行うようにするのがよいでしょう。

体が硬い柔らかいは体質?

柔軟性あらゆるトレーニング中でストレッチは、最も効果が早く表れるトレーニングです。

柔軟性はストレッチをやった瞬間から向上しています。

すぐに効果が表れるからといっても、いきなり誰でも一日で劇的に体が柔らかくなるわけではありません。

1回目より2回目、2回目より3回目のほうが柔らかくはなりますが、5回程度行うと「もうこれ以上伸びない」というその日の限界が訪れます。

柔軟性を向上させるには、筋力や持久力と同様、ストレッチを継続することが必要です。

また、トレーニングを中止すると能力が徐々に落ちていくのも、筋トレや有酸素運動と同様です。

自分に必要な柔軟性を獲得できた後は、週に1回継続すればその柔軟性を維持することができます。(個人差があります)

ストレッチで痩せる?

体重たまにダイエットのためにストレッチをしているという方がおられるのですが・・・

ストレッチを行っても、実施中のエネルギー消費量は安静時より20%程度しか増えず、有酸素運動が安静時の400~1000%も増えることと比較すると、その差は歴然。

部分的な運動のためあまりカロリーを必要としない筋トレでさえ、200%程度増えます。

運動の強さ(強度)としては筋トレの1/10、有酸素運動の1/20~1/50に過ぎず、散歩以下のレベルです。

例えば、体重60kgの人が1時間みっちりストレッチを行っても、エネルギー消費量は130kcal程度で、体脂肪に換算すると20g程度しか消費しません。

ただし、同じストレッチでもサッカーのブラジル体操やラジオ体操の様な動的ストレッチを行うのであれば、有酸素運動に近くなり、運動中の消費エネルギーは300%程度アップします。

筋肉は体温をつくる熱発生装置ですから、筋トレをして筋肉量が増えると基礎代謝が上がりますが、ストレッチで基礎代謝が上がるという事もありません。

一般的に筋肉1kgで30kcal(1日当たり)の熱を発生するといわれています。

ストレッチの直接的な効果はあくまでも筋肉を柔らかくし、関節が大きく動くようにする、柔軟性を高めることなので、残念ながら、どんなにストレッチしても想像以上に脂肪は消費されません。

脂肪が燃える?

燃える脂肪燃焼とかいいますが、実際に燃えているわけではなく、脂肪をエネルギーに変換し、その時水と二酸化炭素が発生する化学変化です。

その化学変化には、酵素、ビタミン、ミネラルが必要です。

酵素はタンパク質で出来ています

タンパク質の消化食事からとったタンパク質を消化しアミノ酸に分解して吸収した後、そのアミノ酸を組み合わせて様々な酵素を作り上げています。

ちなみに、タンパク質をアミノ酸に分解する過程で酵素が必要です。(ペプシン、トリプシンペプチターゼ、ジペプチターゼ)

タンパク質は筋肉、骨、お肌などになるだけではなく、酵素にもなりますのでたくさん必要です。

タンパク質は、ボディービルダーやトップアスリートだけが必要なものではなく、私もあなたも家族も友人も、全ての人に必要なものです。

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