体の中のタンパク質の役割
体の中で作られたタンパク質の知られざる役割とは
ブログ記事「【意外と足りてない?】体が求める重要栄養素「タンパク質」とは」の体の中のタンパク質の役割について少し詳しく書いた記事です。
この記事では、意外と知られていないタンパク質の11の役割をわかりやすく解説します。
目 次
役割 | 詳細内容 |
---|---|
コラーゲン生成 | 肌のハリ、骨・歯・関節の強化、血管の弾力性に関与 |
脳の機能維持 | 神経伝達物質(セロトニンなど)の材料に |
肝臓のサポート | 解毒酵素の材料、代謝機能を高める |
貧血・冷え性改善 | ヘモグロビンの構成成分として酸素運搬に |
免疫力UP | 抗体の材料になり、ウイルスへの抵抗力強化 |
ホルモン調整 | 成長・代謝・ストレス反応を支えるペプチドホルモンの材料 |
疲労回復 | ストレス時のコルチゾール分泌に対応、筋肉の分解防止にも |
酵素の生成 | 消化・代謝を担う酵素はすべてタンパク質 |
栄養や薬の運搬 | ビタミン・ミネラル・薬剤の「運搬役」として |
エネルギー源 | 糖質不足時には筋肉から糖新生、しかし体への負担が大 |
コラーゲン生成
体を構成するタンパク質の約30%はコラーゲンです。
コラーゲンはたんぱく質なので、食事やサプリメントで摂ったとしてもそのままでは吸収できません。
一度バラバラになりアミノ酸になって腸から吸収され、そこからコラーゲンに再合成されなければいけません。
コラーゲンはタンパク質とビタミンCや鉄などの栄養素を材料として作られています。
コラーゲンの役割
①肌の若返り
皮膚の水分保持作用があり、シワがのび、皮膚が引き締まり、若々しい肌に。
②骨・歯の強化
骨・歯の主な構成成分はタンパク質(コラーゲン)とカルシウム。
③傷の回復を促進
傷口をふさぐ働きをします。
亜鉛があると更に傷の治りを促進します。
④関節の強化
関節の内膜の潤いを保つ役割があり炎症を抑えます。
不足すると関節炎に。
⑤血管の弾力性強化
血管は層構造になっており、層の一つに平滑筋という筋肉の層があります。
タンパク質は平滑筋を作る材料なので、血管を丈夫にし破れにくくしてくれます。
脳の機能維持
脳細胞間のやりとりは脳神経伝達物質で行っており、脳の神経伝達物質はほとんどがタンパク質の分解されたペプチドやアミノ酸です。
タンパク質を摂取し、ペプチドやアミノ酸に分解されそれから脳神経伝達物質が作られる必要があります。
よって、タンパク質不足は致命的です。
肝臓のサポート
タンパク質の分解されたアミノ酸の一種であるアラニンは肝臓のエネルギー源であり代謝をつかさどる酵素の材料となります。
肝臓の代謝能力が高まり有害物質の解毒作用を向上させ血液が浄化されます。
貧血・冷え性改善
酸素を運ぶ赤血球は血液の40~45%を占めます。
赤血球のヘモグロビンは鉄分とタンパク質がビタミンB6を補酵素として結合したものなので、サプリメントで鉄分だけ補給しても効果がでません。
ヘモグロビンが増えると、体の隅々まで酸素を運んでくれるので貧血、冷え性が改善します。
内臓の支持
内臓は腹膜に吊り下げられた状態で、腹膜の主要成分はタンパク質です。
腹膜が弱いと伸びてしまい下垂がおきます。(代表的なもの:胃下垂)
タンパク質を十分摂ることで腹膜がしっかりし下垂を防げます。
免疫力UP
タンパク質がビタミンCと結びつくと、血液中でウイルスや細菌に対する抗体が作りやすくなり、侵入に抵抗する力が増します。
ホルモン調整
ペプチドホルモンの材料となり、体の調整能力や思春期、更年期などホルモンの変動しやすい時期にタンパク質を十分に摂ると、体力が維持されやすくなります。
疲労回復
ストレス時に副腎皮質ホルモンが分泌されます。
副腎皮質ホルモンのコルチゾールは肝臓での糖新生を促進し、血糖値を上昇させてストレスに対抗しようとします。
糖新生は体タンパクを異化して(筋肉をこわして)そこからブドウ糖を取り出し血中に放出させます。
ストレスがかかると結果的に体内のタンパク質が不足することになります。
酵素の生成
酵素はたんぱく質です。
自分の体でつくりだしています。
酵素には、代謝酵素と消化酵素があります。
酵素が増えると代謝が活発になり、消化吸収も増すという事です。
健康食品の○○酵素とか△△酵素とかもタンパク質でできています。それで効果を感じる方は、単にタンパク質不足だったと言えるかもしれません。
栄養素や薬の運搬
血液中でビタミン、ミネラル、脂肪、薬を運ぶ役目を担った運搬タンパクというものが細胞まで運んでくれます。
タンパク質不足でせっかく摂ったビタミン、ミネラルが細胞まで運ばれないのはもったいない。
エネルギー源
脂質・糖質はエネルギーの材料とよく知られていますが、タンパク質もエネルギーの材料として使われる事があります。
これは、糖新生といって飢餓時に筋肉を壊して取り出されたアミノ酸からエネルギーを作り出す方法です。
体を壊してまで生きようとしている状態なので危険です。
ちなみに、糖質制限ダイエットでは糖新生が起きています。
糖新生は筋肉(体)を壊すので筋肉が減って体重が落ちますが、脂肪はのこります。
筋肉が減る(弱る)と筋肉とセットで機能している骨や関節も弱り、体が弱ることになります。