【肝臓でホルモンが乱れる?】アルコールが女性ホルモンや男性ホルモンに与える影響とは?
アルコールが生殖ホルモンに与える隠れた影響とは?
「なんだか最近、疲れやすい」
「肌荒れやむくみが気になる」
「生理周期が乱れがち」
そんな症状、お酒の飲み方が関係しているかもしれません。
実はアルコールは、肝臓だけでなくホルモンバランスにも大きく関わっているんです。
今回は、肝臓で作られるホルモン調整役「SHBG(性ホルモン結合グロブリン)」に注目しながら、アルコールとホルモンの関係をわかりやすく解説します。
目 次
SHBGは、肝臓で作られるたんぱく質の一種です。
エストロゲン(女性ホルモン)やテストステロン(男性ホルモン)とくっつき、ホルモンの働きを調整するブレーキ役のような存在です。
SHBGの働きは「ホルモンの信号待ち」
🔸ホルモンがSHBGにくっつく → 一時的に不活性化
🔸必要なときに放されて → 細胞に作用
つまり、SHBGがあるからこそホルモンは暴走せずにバランスを保てるのです。
はい、アルコールの摂取はSHBGの合成を低下させることが知られています。
なぜかというと…
- アルコールは肝臓で分解されるため、肝機能に負担をかけます
- 肝臓が疲れてくると、SHBGの合成力も低下
- 結果として、ホルモンが結合されず「遊離(フリー)ホルモン」が増える
- この「遊離ホルモン」は活性型のホルモン
つまり、テストステロンやエストロゲンが効きすぎてしまう状態になるのです。
補足
🔸SHBGの合成には以下のような要因が関係します
要因 | SHBGへの影響 |
---|---|
肝機能の状態 | 低下するとSHBG合成も低下 |
インスリン | インスリン抵抗性が高まるとSHBG合成を抑制 |
甲状腺ホルモン | 活性型T3が高いとSHBGが増加 |
タンパク質摂取量 | 不足するとSHBG合成に必要なアミノ酸が足りなくなる可能性あり |
栄養全般(亜鉛やビタミン類) | 不足すれば肝機能に影響し、SHBG合成が低下 |
関連記事:「【意外と足りてない?】体が求める重要栄養素「タンパク質」」とはも併せてお読みください。リンクは下から。
🔸テストステロンが効きすぎると…
- 肌トラブル(にきび・脂性肌)
- 髪の毛が薄くなる
- イライラしやすくなる
- 女性の場合、多毛や月経不順の原因に
🔸エストロゲンが効きすぎると…
- むくみ・体重増加
- 子宮内膜の過剰増殖(不正出血やがんのリスクにも)
- 乳房の張り・過敏感
- PMS(月経前症候群)の悪化
ホルモン | アルコールの影響 |
---|---|
テストステロン | 分泌低下(特に男性で)、エストロゲンへ変換されやすくなる |
エストロゲン | 分解が遅れ、体内に長く残る(肝臓負担により) |
LH・FSH(排卵・精子形成) | 下垂体からの分泌が抑制され、性ホルモンの分泌自体も減る |
コルチゾール(ストレスホルモン) | 上昇傾向、ホルモンバランスがさらに崩れる |
🔸「毎日少しずつ」よりも「週に1〜2回休肝日」
肝臓の修復時間をつくることが大切です。
🔸肝臓を労わる食材を意識
しじみ、たまねぎ、大根、ウコン、ブロッコリー、緑茶など
🔸アルコールを飲むときはタンパク質も一緒に
肝臓の解毒やSHBG合成には、良質なタンパク質(卵・豆・魚など)が必要です。
🔸SHBGは肝臓で作られ、ホルモンをコントロールする大切な役割を担っています。
🔸アルコールは肝臓を疲れさせ、SHBGの合成を妨げる → ホルモンが効きすぎる。
🔸ホルモンバランスの乱れによる不調(肌・気分・生理)を防ぐには、お酒との上手な付き合い方がカギ!
「なんとなく不調」の影に、お酒とホルモンの関係が隠れているかもしれません。
飲みすぎてしまった次の日は、肝臓とホルモンを意識したケアをしてあげましょう。
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