【薬の副作用】NSAIDsと筋肉症状|市販薬でも起こりうるリスク

〜いつもの痛み止め、実は注意が必要です〜

「今月も頭痛薬を買い足してしまった」
「生理痛がつらくて、つい毎回飲んでしまう」
──そんな経験、ありませんか?

ドラッグストアで手軽に買えるロキソニンやイブなどの鎮痛剤。

市販薬だからと安心して飲んでいる方も多いかもしれません。

しかし、これらのNSAIDsと呼ばれる薬には、実は筋肉に関わる深刻な副作用のリスクがあることをご存じでしょうか。

特に頭痛や生理痛で長期的に使っている女性には、知っておいてほしい大切な情報があります。

目 次

NSAIDsとは何か?

?マークの女性

NSAIDs(エヌセイズ)は「非ステロイド性抗炎症薬(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)」の略称です。

痛みや炎症の原因となるプロスタグランジンという物質の産生を抑えることで、鎮痛・解熱・抗炎症作用を発揮します。

身近なNSAIDsの商品名

市販薬として広く使われているNSAIDsには、以下のようなものがあります。

ロキソプロフェン系・ロキソニンS
・ロキソニンSプレミアム
・ロキソニンSクイック
イブプロフェン系・イブA錠
・イブクイック頭痛薬
・バファリンプレミアム
・ノーシンピュア

その他にも、アスピリン(バファリンA)、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)など、多くの鎮痛剤がNSAIDsに分類されます。

なぜ筋肉症状が起きるのか?

疑問に思うNSAIDsが筋肉に影響を与えるメカニズムは複雑ですが、主に以下のような理由があります。

  1. 腎臓への負担による間接的影響
    NSAIDsは腎臓の血流を減少させることがあります。
    腎機能が低下すると、筋肉の代謝産物が十分に排出されず、筋肉細胞に負担がかかります。
    特に、脱水状態や高齢、やせ型の方では腎臓への影響が出やすくなります。

  2. 直接的な筋肉細胞への影響
    まれではありますが、NSAIDsが筋肉細胞を直接障害し、横紋筋融解症という重篤な状態を引き起こすことがあります。
    横紋筋融解症では、筋肉が壊れて内部のタンパク質(ミオグロビン)が血液中に大量に流れ出し、腎不全などの命に関わる合併症を引き起こす可能性があります。

  3. 他の薬との相互作用
    NSAIDsは単独でもリスクがありますが、他の薬と併用することでリスクがさらに高まります。
    特にスタチン(コレステロールの薬)との併用は、筋肉障害のリスクを増大させることが知られています。

特にリスクが高い人

安全とリスク

慢性頭痛・生理痛での長期使用者

「痛くなりそうだから念のため」「痛みがひどくなる前に」と、頻繁に鎮痛剤を使用していませんか?

実は、月に10日以上鎮痛剤を服用している場合、薬物乱用頭痛のリスクが高まるだけでなく、副作用のリスクも増加します。

生理痛で毎月数日使う程度なら問題ありませんが、頭痛と生理痛の両方で頻繁に使っている場合は要注意です。

女性特有のリスク要因

女性は以下の理由で、NSAIDsの副作用リスクがやや高くなることがあります。

体格が小さい傾向薬の血中濃度が相対的に高くなりやすい
生理痛での定期的使用慢性的な使用パターンになりやすい
ダイエットや食事制限栄養状態が副作用リスクに影響
冷え性や血行不良腎臓の血流がもともと低下しやすい

特に、体重が少ない方や、やせ型の方は注意が必要です。

他の薬との併用リスク

以下の薬を飲んでいる方は、NSAIDsとの併用で筋肉障害や腎障害のリスクが高まります。

スタチン系高脂血症治療薬リピトール、クレストール、リバロなど
降圧薬(特にARB・ACE阻害薬と利尿薬の併用)この3剤併用は「トリプルワーミー」と呼ばれ、急性腎不全のリスクが大幅に上昇
抗凝固薬・抗血小板薬出血リスクの増加
エナジードリンク(次回記事で詳述予定)

見逃せない危険信号

医師からの注意

以下の症状が現れたら、すぐに薬の使用を中止し、医療機関を受診してください。

筋肉に関する症状激しい筋肉痛(特に、ふくらはぎ、太もも、肩、腰)
筋肉のこわばり
手足に力が入らない、脱力感
全身の倦怠感が続く
腎臓に関する症状尿の色が濃くなる(赤褐色、コーラ色)
尿の量が減る
顔や手足のむくみ
体重が急に増える
その他の警告症状胃痛、吐き気、黒い便(消化管出血の可能性)
息苦しさ、喘息様症状(アスピリン喘息)
発疹、かゆみ

これらの症状は、筋肉や腎臓が深刻なダメージを受けている可能性があります。

特に、赤褐色の尿は横紋筋融解症の典型的な症状であり、緊急性が高い状態です。

安全に使うための5つのポイント

ポイント

1. 月に何錠が目安?

専門家の見解では、月に10日以上の服用は避けるべきとされています。

生理痛で月に3〜5日使用し、頭痛でさらに数日使用すると、すぐにこの目安を超えてしまいます。

自分が月に何日、何錠飲んでいるか、カレンダーに記録してみることをお勧めします。

2. 「痛くなる前に」は正解?

「痛みがひどくなる前に早めに飲んだ方がいい」という情報を聞いたことがあるかもしれません。

これは部分的には正しいのですが、「痛くないのに予防的に飲む」のは間違いです。

正しい使い方:痛みが出始めたと感じたら早めに飲む(ただし、痛みがないときは飲まない)

3. 水分をしっかり摂る

NSAIDsは腎臓に負担をかけるため、十分な水分補給が大切です。

特に、生理中や運動時、夏場は脱水になりやすいので注意しましょう。

コップ1杯の水と一緒に飲むことを習慣にしてください。

4. 複数の鎮痛剤を併用しない

頭痛薬と生理痛薬を別々に持っている場合、両方ともNSAIDsである可能性があります。

知らずに2種類のNSAIDsを同時に飲むと、副作用のリスクが大幅に上がります。

5. 胃薬との併用を検討

NSAIDsは胃粘膜を傷つけやすいため、胃の弱い方は胃薬(H2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬)との併用を医師や薬剤師に相談してみましょう。

ロキソニンSプレミアムのように、胃を守る成分が配合された製品もあります。

痛みとの付き合い方を見直そう

チェックリスト

代替案を考える

慢性的な頭痛や生理痛に悩んでいる場合、鎮痛剤に頼るだけでなく、根本的な対策を考えることも大切です。

🔸頭痛の場合

・十分な睡眠と規則正しい生活
・カフェインの摂りすぎに注意
・ストレス管理
・肩こりや眼精疲労のケア
・頭痛専門医への相談(片頭痛なら予防薬の選択肢もあります)

🔸生理痛の場合

・低用量ピルや漢方薬の検討
・体を温める(カイロ、入浴)
・適度な運動習慣
・婦人科での相談(子宮内膜症などの病気が隠れている可能性も)

医師に相談するタイミング

以下のような場合は、自己判断での市販薬使用を続けず、医療機関を受診しましょう。

  • 月に10日以上鎮痛剤を使用している
  • 以前より薬が効きにくくなってきた
  • 他の薬(特にスタチン、降圧薬)を飲んでいる
  • 生理痛がどんどん悪化している
  • 頭痛のパターンが変わった、または頻度が増えた

まとめ

まとめ市販の鎮痛剤は、適切に使えば私たちの生活の質を大きく改善してくれる頼もしい味方です。

しかし、「市販薬だから安全」という思い込みは禁物です。

特に、頭痛や生理痛で頻繁に使用している女性の皆さんは、自分の服用パターンを一度見直してみてください。

月に10日以上使っているなら、それは体からの「相談してほしい」というサインかもしれません。

薬と上手に付き合いながら、痛みに振り回されない生活を目指しましょう。


【参考情報】

厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 横紋筋融解症」
全日本民医連「非ステロイド性鎮痛消炎剤(NSAIDs)の注意すべき副作用」
日本頭痛学会「薬物乱用頭痛」に関する情報


本記事は情報提供を目的としており、医学的アドバイスの代わりとなるものではありません。個別の症状や薬の使用については、必ず医師・薬剤師にご相談ください。


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