骨盤の形で分かる糖尿病リスク―姿勢・腰痛・股関節痛だけではなかった
〜姿勢・痛み改善の先にあった、もうひとつの健康管理〜
「お尻の形で糖尿病のリスクが予測できる」と聞いたら、驚かれる方も多いのではないでしょうか?
実は、2024年の北米放射線学会年次総会で発表された最新研究により、臀部(お尻)の筋肉の形状が、糖尿病やフレイル(虚弱)のリスクと深く関連していることが明らかになりました。
さらに興味深いのは、この変化が単なる「筋肉の大きさ」ではなく、筋肉の「形状」や「付き方」に関係しているという点です。
当院では以前から骨盤の形状によって姿勢や筋肉の付き方が変わることをお伝えしてきましたが(過去記事:「姿勢改善や腰痛・股関節痛がなかなかよくならない理由」)、今回の研究結果を踏まえると、骨盤の形 → お尻の形状 → 糖尿病リスクという新たなつながりが見えてきます。
今回は、この最新研究の内容と、骨盤タイプ別の具体的な健康管理のポイントをご紹介します。
目 次
大臀筋の形状変化が示すもの

英ウェストミンスター大学の研究チームは、6万人以上のMRIスキャン画像を解析し、大臀筋(お尻の最も大きな筋肉)の3D形状を詳細に評価しました。
その結果、以下のことが判明しました。
- フィットネスレベルが高い人は大臀筋が大きく発達している
- 加齢・フレイル・長時間の坐位は臀筋の形状変化(筋厚の低下や萎縮)と関連
- 2型糖尿病の男性は臀部の筋厚が顕著に薄くなる
- 2型糖尿病の女性は逆に筋肉量が多い(脂肪浸潤の影響と考えられる)
特に注目すべきは、研究者が強調している点です。健康状態の変化は臀部の「大きさ」よりも「形状」の方が密接に関係しているというのです。
性別による違い
この研究のもう一つの重要な発見は、同じ疾患でも男女で臀部の変化パターンが異なるという点です。
フレイルと判定された男性は女性に比べて大臀筋の筋厚がより薄くなり、2型糖尿病でも男女で正反対の変化が見られました。
これは、生物学的な代謝の違いが体の形状に表れていることを示しています。

ここで重要になるのが、骨盤の形状です。
当院の過去記事でもご紹介した通り、骨盤はCaldwell-Moloy分類という産科領域の分類法で4つのタイプに分けられます。
- Gynecoid型(女性型):丸みのある円形
- Android型(男性型):狭く深いハート型
- Anthropoid型(類人猿型):前後に長い楕円形
- Platypelloid型(扁平型):左右に広い楕円形
この骨盤の形状によって、股関節の寛骨臼(ソケット部分)の深さや向きが変わり、それに伴って臀筋群の付き方や働き方も変化します。
つまり、お尻の形状は生まれ持った骨盤の形に大きく影響されているのです。

最新研究と骨盤の形状理論を組み合わせると、各骨盤タイプに応じた健康管理のポイントが見えてきます。
Gynecoid型(女性型):バランス重視
| 特徴 | 糖尿病予防のポイント |
|---|---|
| ・最も一般的な骨盤タイプ ・臀筋の力の伝達バランスが良好 | ・全身のバランス強化で代謝を活性化 |
このタイプは特別な制限が少ないため、継続的な全身運動を通じて臀筋を含む大筋群を維持することが重要です。
Android型(男性型):可動域の確保が鍵
| 特徴 | 糖尿病予防のポイント |
|---|---|
| ・寛骨臼が深く、股関節の動きに制限が出やすい ・腰や膝で代償動作が起こりやすい | ・股関節の可動域を広げるモビリティエクササイズ |
研究では男性の2型糖尿病患者で筋厚の減少が顕著でした。Android型は男性に多いタイプなので、特に股関節の動きを制限しないよう意識的なケアが必要です。
Anthropoid型(類人猿型):安定性と持久力
| 特徴 | 糖尿病予防のポイント |
|---|---|
| ・前後に長い骨盤で可動域は広い ・安定性に欠け、臀筋の協調性が重要 ・近年増加傾向(この50年で約2倍) | ・臀筋の持久力を高めるトレーニング |
動的な動作が得意な反面、長時間座っていると臀筋が使われず筋厚が薄くなりやすい傾向があります。デスクワークの多い現代人に増えているタイプだけに、意識的な筋肉維持が重要です。
Platypelloid型(扁平型):中殿筋のケアを最優先
| 特徴 | 糖尿病予防のポイント |
|---|---|
| ・横に広く寛骨臼が浅い ・股関節の安定性が低く、中殿筋に大きな負担 | ・中殿筋の安定化トレーニング(クラムシェル、片脚立ち) |
中殿筋の負担が大きいため疲労しやすく、結果として活動量が低下しがちです。しっかりとした中殿筋のケアが代謝健康の維持につながります。

骨盤タイプに関わらず、糖尿病予防のために共通して大切なのは以下の点です。
- 座位時間を減らす
長時間の座位は臀筋の活動低下や萎縮と関連しています。
1時間に1回は立ち上がり、軽い運動を取り入れましょう。 - 臀筋を意識的に使う
階段の上り下り、スクワット動作など、日常的に臀筋を使う機会を増やすことで、筋肉の形状維持と代謝機能のサポートにつながります。 - 自分の骨盤タイプを知る
自分の骨盤がどのタイプに近いかを知ることで、効率的なトレーニングや痛みの予防が可能になります。 - 定期的なチェックと専門家のアドバイス
姿勢や筋肉のバランスは日々変化します。
定期的に体のチェックを受け、自分に合った運動を続けることが大切です。
※次回の記事は、
日本人は「世界一座っている民族」で「座りすぎ」が命を縮めるという研究データについて。

🔸骨盤の形を知ることが健康管理の第一歩
最新の研究により、お尻の形状と糖尿病リスクの関連が科学的に示されました。
そして、お尻の形状は骨盤の形に大きく影響されています。
つまり、自分の骨盤タイプを知り、それに応じた臀筋のケアを行うことが、姿勢改善や腰痛・股関節痛の予防だけでなく、糖尿病やフレイルなどの代謝性疾患の予防にもつながる可能性があるのです。
当院では、骨盤の形状を考慮した施術とアドバイスを行っています。
「なかなか改善しない痛み」や「効果的な運動方法を知りたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの骨盤タイプに合わせた、最適な健康管理をサポートいたします。
【参考文献】
北米放射線学会年次総会(RSNA 2025)発表研究
Caldwell-Moloy骨盤分類に関する産科学的文献
当院過去記事:「姿勢改善や腰痛・股関節痛がなかなかよくならない理由」👈
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