姿勢改善や腰痛・股関節痛がなかなかよくならない理由、それは・・・

“骨盤の形”にあるかもしれません

「姿勢を良くしようと頑張っているのに、なかなか腰や股関節の痛みが改善しない…」
「整体や筋トレをしても、一時的に良くなるけどすぐ戻ってしまう…」

そんな悩みを抱える方は多いのではないでしょうか?

実は、その原因のひとつに「骨盤の形の違い」が関係していることが最近の研究や臨床で注目されています。

骨盤はただの骨の集まりではなく、形の違いによって股関節の動きや筋肉の働き方が変わります。
そのため、同じ運動をしても効果が異なったり、負担が偏って痛みを引き起こしたりすることがあるのです。

この記事では、産科領域で知られる「Caldwell-Moloy分類」という骨盤の形状分類を使って、あなたの姿勢や腰・股関節の痛みの改善に役立つ視点をお伝えします。

まずは、自分の骨盤タイプを知り、なぜ改善が難しいのか、その理由を理解することから始めてみましょう。

目 次

骨盤の形を4タイプに分ける「Caldwell-Moloy分類」

骨盤分類

Caldwell-Moloy分類はもともと分娩時の骨盤適性を見るために用いられてきたものですが、形状が腰や股関節・筋バランスに与える影響も無視できません。

主要な形状として4つ示されていますが、実際はそれらの中間型(混合型)が多くみられます。

タイプ特徴形状
Gynecoid型(女性型)最も一般的、丸みのある骨盤円形
Android型(男性型)男性に多く、狭く深いハート型
Anthropoid型(類人猿型)縦に長い楕円形楕円形(前後長)
Platypelloid型(扁平型)横に広い扁平な骨盤楕円形(左右長)

※この50年間で類人猿型の割合はおよそ2倍近くに増加し、女性型は約15%減少しているという研究結果があります。

骨盤形状によって変わる、股関節と殿筋群の働き

骨盤と股関節のアライメント

股関節の絵骨盤の形状により、寛骨臼(股関節のソケット)の深さや向きが異なります。これにより、以下のような影響が出ます。

Android型(男性型)では寛骨臼が深く、股関節の屈曲・内旋で骨同士がぶつかりやすく、インピンジメント(FAI)のリスクが上がります。

Platypelloid型(扁平型)では寛骨臼が浅く、股関節の安定性が下がることで、外転や片脚立ち動作で中殿筋に大きな負担がかかりやすくなります。

殿筋群の負担の違い

骨盤と殿筋群の模型骨盤の幅や傾きによって、殿筋群(特に中殿筋・大殿筋)のてこの支点距離=モーメントアームが変化します。

骨盤タイプ殿筋への影響
Gynecoid型(女性型)力の伝達バランス良好。特別な補正不要な場合が多い
Android型(男性型)股関節が深いため、可動域が制限 → 代償で腰や膝に負担増加
Anthropoid型(類人猿型)可動域は広いが安定性に欠ける → 殿筋の持久力・協調性が必要
Platypelloid型(扁平型)中殿筋のモーメント増大 → 疲労しやすく股関節不安定の原因に

骨盤タイプ別・おすすめ運動戦略

スクワットトレーニング

タイプ特徴注意点推奨エクササイズ
Gynecoid型(女性型)丸型特に制限なし全身のバランス強化(スクワット、デッドリフト)
Android型(男性型)狭く深い股関節の動き制限、腰の代償動作モビリティエクササイズ(内旋・屈曲)と殿筋活性化
Anthropoid型(類人猿型)前後に長い動作がダイナミックになりやすい股関節の協調運動と軸の安定トレーニング
Platypelloid型(扁平型)横に広く浅い股関節不安定性中殿筋の安定化トレーニング(クラムシェル、片脚立ち)

まとめ:骨盤の“形”を知ることが改善の第一歩

姿勢や筋力、運動効率の差は、筋トレ方法だけでなく「骨格の個性」にもあります。

aldwell-Moloy分類を一つの指標として、あなたに合った運動戦略を見つけることが、痛みの予防や姿勢改善の鍵になります。

自分の骨盤タイプを知ることで、トレーニングの効果が最大化され、慢性痛の改善や再発予防にもつながります。

未定ではありますが、各骨盤タイプに合わせた具体的な「殿筋トレーニングメニュー」も紹介していきたいと思います。