炎症は自然に収まらない。終わらせる物質「SPM」の正体

~なぜあなたの痛みやコリは長引くのか~

腰・肩・膝・首の痛みが、何週間経っても完全には引かない。
「もう治ってもいいはずなのに」そんな感覚に覚えはありませんか?

実は、炎症は放っておけば自然に消えるものではありません。

炎症を「終わらせる」ための、専用の仕組みが体には存在するのです。

目 次

「そのうち治る」という誤解

医師からの注意

たしかに炎症は時間が経てば収まることが多いものです。

しかし「炎症が収まる」というプロセスを、長年医学はこう考えてきました。

「炎症を起こす物質が、時間とともに自然に減っていくだけ」

つまり、炎症は「能動的に消すもの」ではなく「燃え尽きるのを待つだけのもの」だという理解です。

ところが、この理解は1990年代後半から大きく見直されることになりました。炎症の終息(レゾリューション)は、実は専用の「終わらせる物質」が主導する、れっきとした生理的プロセスだったのです。

この物質群の代表が、レゾルビン(Resolvins)とプロテクチン(Protectins)です。

炎症には「始める仕組み」と「終わらせる仕組み」がある

医師の説明

その仕組みを知るために、まず炎症の全体像を見てみましょう。

炎症は一枚岩のプロセスではありません。

大きく2つのフェーズに分かれています。

フェーズ主役の物質役割
開始相プロスタグランジン・ロイコトリエン(アラキドン酸由来)血管を広げ、免疫細胞(好中球など)を炎症部位に呼び込む
終息相レゾルビン・プロテクチン(SPM)免疫細胞の働きを止め、後片付けをして組織を元に戻す

ポイントは、開始相と終息相で、原料となる脂肪酸の系統が切り替わるということです。

これを「クラススイッチング」と呼びます。

フェーズ原料となる脂肪酸
開始相オメガ6系のアラキドン酸から、炎症を起こす物質が作られる
終息相オメガ3系のEPA・DHAから、炎症を終わらせる物質(SPM)が作られる

同じ炎症の現場で、原料となる脂肪酸のバトンタッチが起きているわけです。

SPMとは何か—レゾルビンとプロテクチン

医師に相談、医師からの説明

SPM(Specialized Pro-resolving Mediators、特殊化炎症収束性メディエーター)は、炎症終息を専門に担う生理活性物質の総称です。

代表的なものに以下があります。

SPM原料となる脂肪酸
レゾルビンE系列EPAから合成
レゾルビンD系列DHAから合成
プロテクチン
(プロテクチンD1など)
DHAから合成
マレシンDHAから合成される、SPMファミリーの仲間

これらは、炎症が起きた現場で次のような働きをします。

  1. 好中球(炎症を起こす免疫細胞)が、その場に居座り続けるのを止める
  2. マクロファージに「死んだ細胞やゴミを片付けて」と指令を出す
  3. 炎症性物質の産生にブレーキをかける
  4. 痛みの感じやすさ(痛覚過敏)を和らげる

つまりSPMは、「火を消す」だけでなく「焼け跡を片付けて、元の状態に戻す」までを担う、いわば炎症の後始末担当なのです。

「終わらせる物質」が足りないとどうなるか

医師の手のひら

ここで重要な問いがあります。

この後始末がうまくいかなかったら、何が起きるのか?

答えは、炎症の慢性化です。

SPMが不足したり、産生のタイミングがうまく合わなかったりすると、本来なら撤退するはずの好中球が炎症部位に居座り続けます。

これが続くと、

🔸 炎症が低レベルでくすぶり続ける(低度慢性炎症)
🔸 組織の修復が進まず、線維化(組織が硬くなる)が起こりやすくなる
🔸 痛みやコリが「治った気がしない」まま長引く

「炎症が長引いている」状態は、実は「炎症が強すぎる」のではなく「終わらせる仕組みがうまく働いていない」ことが原因かもしれない。という視点が、近年の研究で注目されています。

自律神経と炎症終息の意外な関係

ポイント

ここからは、当院の施術ともつながる重要なポイントです。

炎症の終息は、免疫系だけで行われているわけではありません。自律神経系が、炎症を終わらせるプロセスに深く関わっていることが、近年の研究で明らかになってきています。

📖 2019年に発表された研究では、交感神経が炎症終息のスイッチに直接関与していることが示されました。

2019年に発表された研究では、交感神経(アドレナリン神経)が適切に機能している状態で、炎症終息のスイッチが入ることが示されました。

具体的には、交感神経の働きがSPMの産生や、炎症を後片付けするマクロファージの動員を促進することが確認されています。

逆に、交感神経の機能を実験的に遮断すると、炎症が過剰になり、うまく終息できない状態が引き起こされました。

ここで重要なのは、「交感神経が働いていればよい」ということではありません。

慢性的なストレスや睡眠不足、長引く痛みによって交感神経が過緊張した状態では、アドレナリン系のシグナルは炎症終息ではなく炎症促進の方向に傾きやすくなります。

また、副交感神経の働きが低下した状態が慢性炎症性疾患の発症に先行して見られることも報告されています。

つまり重要なのは、交感神経・副交感神経どちらか一方ではなく、自律神経全体がバランスよく機能していることが、炎症終息の条件になっているということです。

整理するとこうなります。

自律神経の状態炎症終息への影響
バランスよく機能している✅ 炎症終息スイッチが入りやすい
交感神経が過緊張している
(慢性ストレス状態)
⚠️ 炎症終息スイッチが入りにくくなる
当院の「脳活セロトニン調律整体」で
過緊張が緩む
🔵 炎症終息が働きやすい環境が回復する

「施術」と「食事」は両輪である

医師の腕組ここまでの内容を整理すると、炎症をきちんと終わらせるためには、2つのアプローチが必要だということが見えてきます。

アプローチ役割具体例
施術(脳活セロトニン調律整体)自律神経のバランスを整え、炎症終息のスイッチが働きやすい環境を作る交感神経の過緊張を緩め、神経系の側から後押しする
食事(EPA・DHA)SPMそのものの原料を補給する青魚(サバ・イワシ・サンマなど)、魚油サプリメントなど

どちらか一方だけでは不十分です。

  • 自律神経が整っていても、原料(EPA・DHA)が不足していれば、SPMは十分に作れません。
  • 一方、EPA・DHAをしっかり摂っていても、自律神経が乱れた状態が続けば、炎症終息のスイッチそのものが入りにくくなります。

「施術で土台を整え、食事で材料を補う」この両輪がそろってはじめて、炎症はきちんと終わらせることができるのです。

当院でサポートできること

脳活セロトニン調律整体

誠巧整骨院の脳活セロトニン調律整体では、自律神経の働きを整えることで、体全体のバランスを取り戻すサポートをしています。

🔹 脳活セロトニン調律整体が担う役割
当院の脳活セロトニン調律整体は、過緊張した交感神経の働きを整え、自律神経のバランスを取り戻すことを目的とした施術です。
これまでの話を踏まえると、この施術が目指しているのは、単に「リラックスする」ということだけではありません。

🔹 自律神経のバランスを整えることで、炎症を終わらせる仕組みそのものが働きやすい状態を作る

🔹 慢性的に張り続けている筋肉や、長引くコリ・痛みの背景にある「終わらない炎症」に対して、神経系の側からアプローチする
つまり施術は、炎症終息のプロセスを「神経系の側から後押しする」役割を担っていると言えます。

🔹生活習慣のアドバイス

当院は「体を整える場所」であると同時に、生活習慣全体を見直すパートナーでもあります。食事・睡眠・ストレスケアについて、専門家の視点からアドバイスを受けることができます。

まとめ

まとめ

  1. 炎症は「自然に消える」のではなく、SPM(レゾルビン・プロテクチンなど)という専用の物質が「終わらせている」
  2.  SPMの原料はEPA・DHA(オメガ3系脂肪酸)
  3. この終息プロセスがうまく働かないと、炎症は低レベルでくすぶり続け、痛みやコリの長期化につながる
  4. 自律神経(特に交感神経)の働きは、炎症終息のスイッチに直接関わっている
  5. 脳活セロトニン調律整体による自律神経の調整と、EPA・DHAの食事からの補給は、炎症をしっかり終わらせるための「両輪」

長引く痛みやコリを「炎症が強すぎるから」ではなく、「終わらせる力が足りていないのかもしれない」という視点で見直してみると、新しいケアのヒントが見えてくるかもしれません。


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