免疫力強化(感染防御)にはこの栄養素

- update更新日 : 2024年02月18日
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感染防御
目次
1.ヒトの免疫力は凄かった
2.感染防御に必要なもの
  ・病原体を入れない
  ・病原体に負けない
  ・影響(炎症)を長引かせない
3.免疫力強化に関する栄養素まとめ

ヒトの免疫力は凄かった

生物学者の利根川進先生は1987年 に適応免疫応答(抗原レセプター)について遺伝子レベルで解明し、ノ ーベル医学生理学賞を受賞されています。

抗原レセプターの種類は1000兆を超えるとのことでしたが、その後の研究ではさらにその100倍の抗原レセプターがつくられるとの事なので、未知のウイルスに対しても対応できる、闘えるという事です。

ヒトの免疫力って凄いと思うのですが、負けてしまう事があります。

ゲームのように闘っていくうちに強くなっていくものがありますが、免疫力もそれと同じです。

しかし、現実は“逃げろ”だけを述べている専門家?たちが多く、生き抜くための行動を止められた状態になりがちです。

免疫力が低下する可能性は重要視されていないのでしょうか?

感染防御に必要なもの

病原体を入れない

侵入を防ぐ城壁
・丈夫な粘膜から粘液をしっかり出すこと
鼻から始まる気道、口から始まる消化管は1本の管で体の中のイメージがありますが、体外と考えられています。

管の表面は皮膚の様に頑丈なものではない粘膜で出来ています。

頑丈な皮膚と違い粘膜からは侵入しやすいので、粘液でしっかり覆われており、粘膜に付着する前に粘液でからめとって鼻水や涙と一緒に排出してしまう作戦です。

粘液はムチンというネバネバした水を多く含むタンパク質で出来ており、ムコ多糖を多く含んでいてタンパク質と結合するとネバネバになります。水を多く含む性質はS-S結合というタンパク質の中に含まれるイオウを用いた結合です。

粘液中に待ち伏せするIgA抗体
免疫グロブリンA粘液中には免疫グロブリンの一種IgA抗体や抗菌・抗ウイルスタンパクなどが分泌され、粘液中に入ってきた菌・ウイルス・花粉・ホコリなど種類に関係なく包んで排除します。
IgA抗体は、アミノ酸の一種グルタミンとビタミンAで生成されます。
抗菌・抗ウイルスタンパクはその名のとおり、病原体に抵抗してくれる物質で、細菌の細胞膜に直接攻撃します。
抗菌・抗ウイルスタンパクの合成にはビタミンDが必要です。
また、ビタミンDは粘膜細胞をきっちりと固く結びつけておくために必要な結合タンパクを誘導するので、丈夫な粘膜作りには欠かせません。
ビタミンDはビタミンAと協調し免疫反応のレベル調整を行っています。
ビタミンAの働きを維持するためには亜鉛が必要ですが、粘膜の再生にも亜鉛が必要ですが、亜鉛は貯蓄が難しく、こまめな摂取が必要です。
※当院の取り扱っているサプリメントがビタミンAとDが一緒になっている理由の一つです。

病原体に負けない

免疫力粘膜でブロックできなかった場合、体内での免疫が活動をはじめます。
白血球の免疫細胞である好中球、マクロファージ、リンパ球、NK細胞などが働きはじめるのですが、白血球をサポートするのがビタミンA・ビタミンD・亜鉛・プロバイオティクスです。
腸は免疫にかかわる重要な器官
腸内フローラプロバイオティクスは乳酸菌やビフィズス菌などの腸内細菌で、IgA抗体の分泌を増加させています。
更に、白血球はグルタミンからエネルギーをもらい鉄の力を借りて活性酸素を発生させ病原体をやっつけます。

腸には免疫細胞など、免疫にかかわる物質の60~70%が存在しており、腸内環境を整えることが免疫強化につながります。

影響(炎症)を長引かせない

喉の痛みウイルスの侵入を許し感染が成立するとき、まず局所で炎症がおきますが、これは免疫が働き病原体を排除する際の炎症反応です。
この炎症が続くと体に悪い影響を及ぼしてしまうので、速やかに終息させる事が重要です。
風邪などで熱が出る前に喉が痛くなったりする局所での炎症の時点が最終的に手をうつタイミングです。(常にビタミンCがたっぷりあるのがベストですが)
ビタミンCには免疫細胞を刺激し感染部位に集結させるスピードをアップさせる働きがあり、全身の免疫細胞が喉などの炎症部位に総動員される時に、ビタミンCが必要となります。
ビタミンCがないと局所の炎症が全身に波及し、関節痛や発熱となります。
以外?脂が!
レゾルピン、プロテクチンという物質が、炎症終息に働く作用があり、それらは、ω3系の必須脂肪酸であるDHAやEPAから生成されます。
ω6脂肪酸は炎症を誘起しやすいのですが、DHA、EPAはω6脂肪酸とのバランスをとり間接的抗炎症作用と直接的な作用も期待できます。

免疫力強化に関する栄養素まとめ

・ビタミンA
粘膜を丈夫にする
白血球を増員・配置する
IgA抗体を作る
・ビタミンD
粘膜を丈夫にする
抗菌・抗ウイルスタンパクを作る
白血球を増員・配置する
・ビタミンC
白血球の働きを活発にする
・鉄
白血球が取り込んだ細菌・ウイルスの活性をなくす
・亜鉛
粘膜を丈夫にする
白血球を増員・配置する
白血球にエネルギーを与える
・硫黄
粘液の元となるムコ多糖を生成する
・グルタミン
粘膜などのエネルギー源になる
IgA抗体を作る
白血球にエネルギーを与える
ω3系脂肪酸(DHA、EPA)
抗炎症作用