エクオール産生を高める腸活実践ガイド食事編:大豆製品と食物繊維の摂り方

大豆製品だけでは不十分!菌のエサとセットで摂る黄金ルール

前回の記事では、エクオールの基礎知識や産生菌のチームプレイについて解説しました。

エクオール産生には
「材料(イソフラボン)」
「産生菌」
「菌のエサ(食物繊維)」
「適切な腸内環境」
のすべてが必要だとお伝えしました。

本記事では、エクオール産生を高めるための「食事」に焦点を当てます。

大豆製品の効果的な摂り方、腸内環境を整える食物繊維と発酵食品、そして重要な腸内pH管理まで、詳しく解説します。

目 次

方法1:大豆製品を毎日継続的に摂取する

1番目

🔸推奨摂取量

イソフラボンとして、1日40〜50mgが目安です。

非産生者でも、諦める必要はありません。腸内環境を整えることで、産生能力を獲得・向上させられる可能性があります。

🔸主な大豆製品のイソフラボン含有量

食品イソフラボン含有量
納豆1パック(45g)約36mg
豆腐(木綿)1/2丁(150g)約42mg
豆腐(絹)1/2丁(150g)約38mg
豆乳コップ1杯(200ml)約40mg
きな粉大さじ2(12g)約19mg
油揚げ1枚(30g)約12mg
味噌大さじ1(18g)約7mg
豆乳ヨーグルト100g約15mg

🔸効果的な摂り方のポイント

ポイント補足
毎日続けることエクオールは体内に蓄積されず、約1〜2日で排出されるため、継続が重要
1日1〜2品目を目標に

朝:納豆1パック(36mg)
または昼:豆腐半丁(40mg)
または夜:豆乳1杯(40mg)など

一度にたくさんより少量を毎日腸内細菌に継続的に材料を供給
バリエーションをつける月曜:納豆
火曜:豆腐
水曜:豆乳
木曜:納豆
金曜:油揚げ・厚揚げ
土日:お好みで組み合わせ
食事全体に自然に組み込む朝食:納豆ご飯、豆乳スムージー
昼食:豆腐サラダ、味噌汁
夕食:麻婆豆腐、豆腐ステーキ
おやつ:きな粉餅、豆乳プリン

⚠️ 重要:大豆製品と食物繊維はセットで!
イソフラボンは「材料」に過ぎません。エクオール産生菌が働くためには、「菌のエサ(食物繊維)」も同時に摂ることが絶対に必要です。

詳しくは次のセクション「方法2:腸内環境を整える食事」で説明します。

❌ NG例:納豆だけ食べて野菜はほとんど食べない
⭕ OK例:納豆ご飯 + わかめの味噌汁 + 野菜の小鉢

❌ NG例:豆乳だけ飲んで、食物繊維は摂らない
⭕ OK例:豆乳スムージー(バナナ・オートミール入り)+ サラダ

方法2:腸内環境を整える食事

2番目エクオール産生菌を含む腸内細菌が元気に活動できる環境を作りましょう。

プレバイオティクス(腸内細菌のエサ)

これがなければ、エクオール産生菌は活動できません!

🔸水溶性食物繊維が豊富な食品

カテゴリー食品例1日の目安
海藻わかめ、昆布、もずく、ひじき乾燥で3〜5g
きのこ類しいたけ、えのき、しめじ、まいたけ50〜100g
根菜類ごぼう、にんじん、れんこん100g
野菜ブロッコリー、キャベツ、オクラ200〜300g
穀類玄米、雑穀、オートミール、大麦主食として
豆類大豆、小豆、レンズ豆50g
果物りんご、バナナ、キウイ1〜2個

🔸オリゴ糖を含む食品

・バナナ(1本)
・玉ねぎ(1/4個)
・ごぼう(50g)
・アスパラガス(3〜4本)
・にんにく(1片)
・大豆製品(納豆、豆腐)

🔸理想的な食物繊維摂取量

・女性:1日18g以上(理想は21g)
・野菜・海藻・きのこ:1日350g以上
・食物繊維は水溶性と不溶性をバランスよく

プロバイオティクス(善玉菌そのもの)

生きた善玉菌を直接摂取して、腸内環境を整えます。

🔸発酵食品リスト

発酵食品特徴摂取量の目安
ヨーグルト乳酸菌・ビフィズス菌100〜200g/日
キムチ植物性乳酸菌50g/日
味噌麹菌・乳酸菌大さじ1〜2/日
ぬか漬け植物性乳酸菌小鉢1杯
納豆納豆菌1パック/日
塩麹・醤油麹麹菌調味料として
甘酒(米麹)麹菌、オリゴ糖100ml/日
酢酸菌大さじ1〜2/日

🔸発酵食品摂取のポイント

  • 1日2〜3種類を組み合わせる
    ・朝:ヨーグルト + 味噌汁
    ・昼:キムチを添える
    ・夜:納豆 + ぬか漬け

  • 複数の菌を摂る
    ・動物性乳酸菌(ヨーグルト)
    ・植物性乳酸菌(キムチ、ぬか漬け)
    ・納豆菌
    ・麹菌(味噌、甘酒)

  • 継続が大切
    ・発酵食品も毎日摂る習慣をつける
    ・自分に合う発酵食品を見つける

🔸水分摂取も重要

・1日1.5〜2L(水、お茶など)
・食物繊維は水分と一緒に働く
・便秘予防にも不可欠

💡 ポイント:大豆製品と食物繊維は必ずセットで!

エクオール産生の成功には、大豆製品(材料)と食物繊維(菌のエサ)を同時に摂ることが絶対条件です。

どちらか一方だけでは、エクオール産生菌は十分に働けません。

NG例(エクオールが作られにくい)

朝:納豆ご飯のみ(野菜なし)
昼:肉中心の定食(野菜少なめ)
夜:豆腐だけ
→ イソフラボンはあるが、食物繊維不足で産生菌が働けない

OK例(エクオールが作られやすい)

朝:納豆ご飯 + わかめ味噌汁 + 野菜の小鉢
昼:豆腐サラダ(野菜たっぷり)+ きのこスープ
夜:鮭の味噌焼き + 野菜炒め + 玄米ご飯
→ イソフラボン + 食物繊維で産生菌が活発に働く

大豆製品と食物繊維をセットで摂ることで、初めてエクオール産生菌が活発に働けます。

🔸具体例:OK組み合わせ

・納豆 + わかめ味噌汁 + ほうれん草のおひたし
・豆乳スムージー(バナナ・オートミール入り)+ サラダ
・豆腐ハンバーグ + きのこソース + 温野菜
・厚揚げと野菜の煮物
・味噌汁(豆腐・わかめ・きのこ)

🔸覚えておきたい黄金ルール

大豆製品 + 野菜・海藻・きのこ = エクオール産生成功!

腸内pHを理想的に保つ方法

ペーハースケールクオール産生には、腸内pHを6.0〜7.0(弱酸性〜中性)に保つことが非常に重要です。

🔸腸内pHが乱れる原因

❌ アルカリ性に傾く原因(pH 7.5以上)・高脂肪・高タンパク食(肉中心)
・食物繊維不足
・便秘
・ストレス
・運動不足
→ エクオール産生菌の活動が著しく低下

🔸腸内pHを理想的に保つ食事

発酵食品を毎日摂る・乳酸菌が作る乳酸が腸内を弱酸性に保つ
・ヨーグルト、キムチ、ぬか漬け、味噌など
・1日2〜3種類を組み合わせる
食物繊維をたっぷり摂る・善玉菌が食物繊維を分解し、短鎖脂肪酸を産生
・短鎖脂肪酸が腸内を弱酸性に保つ
・野菜・海藻・きのこを1日350g以上
バランスの良い食事・肉だけに偏らない
・野菜・海藻・きのこを積極的に
・発酵食品を必ず1品以上

🔸腸内pH改善の実践例

❌ NG例(pHがアルカリ性に傾く)

朝:菓子パン + コーヒー
昼:ハンバーガー + ポテト
夜:焼肉(野菜少なめ)+ ビール
→ 高脂肪・高タンパク、食物繊維不足

⭕ OK例(pHが理想的)

朝:納豆ご飯 + わかめ味噌汁 + 野菜の小鉢
昼:豆腐サラダ + 雑穀米 + きのこスープ
夜:鮭の塩焼き + 温野菜 + ぬか漬け + 玄米ご飯
→ バランス良く、食物繊維・発酵食品たっぷり

よくある質問(Q&A)

便秘だとエクオールは作られにくいですか?

はい、便秘はエクオール産生に悪影響を及ぼします。

便秘の場合、以下の問題が起こります。

🔸便秘がエクオール産生を妨げる理由

  1. 腸内環境の悪化
    ・悪玉菌が増え、善玉菌が減る
    ・腸内pHがアルカリ性に傾く(pH 7.5以上)
    ・エクオール産生菌が働きにくい環境に
    ・腐敗物質が増え、有害物質が発生

  2. 腸内滞留時間の異常
    ・便秘:滞留しすぎて腸内環境が悪化
    ・下痢:滞留時間が短すぎてエクオールが作られる前に排出

  3. 代謝の低下
    ・腸の蠕動運動が鈍い
    ・腸内細菌の活動が低下
    ・栄養の吸収効率も悪化

🔸便秘改善のポイント

  • 水溶性食物繊維を積極的に(海藻、きのこ)
  • 不溶性食物繊維もバランスよく(根菜、玄米)
  • 水分を1日1.5〜2L
  • 適度な運動(ウォーキング30分)
  • 発酵食品で腸内環境改善

理想は「1日1回、バナナ状の柔らかい便」です。

肉や魚を食べてもエクオール産生には影響ない?

バランスが大切です。肉や魚も必要ですが、偏りすぎは要注意。

🔸肉・魚の適切な摂り方

⭕ バランスの良い例

  • 肉・魚:1日100〜150g程度
  • 大豆製品:毎日1〜2品
  • 野菜・海藻・きのこ:たっぷり350g以上

❌ 避けたい食事パターン

  • 肉中心で野菜が少ない
  • 高脂肪食が続く
  • タンパク質源が肉・魚だけ

🔸ポイント

・タンパク質源を多様化(肉・魚・卵・大豆製品)
・週2〜3回は大豆製品をメインに
・どんな食事でも野菜はたっぷりと

高脂肪・高タンパクの食事が続くと、腸内環境が悪玉菌優位に傾き、腸内pHがアルカリ性になってエクオール産生能力が低下する可能性があります。

特に注意したいのは、

  • 焼肉やステーキばかりで野菜が少ない
  • ファストフードが続く
  • 揚げ物中心の食生活

これらは腸内pHを7.5以上のアルカリ性に傾け、エクオール産生菌が働けない環境を作ってしまいます。

まとめ:エクオール産生を高める食事の3つのポイント

まとめ

  1. 大豆製品を毎日摂取
    ・イソフラボン40〜50mg/日
    ・納豆、豆腐、豆乳など
    ・継続が何より大切

  2. 食物繊維と発酵食品をたっぷり
    ・食物繊維:野菜・海藻・きのこ350g/日
    ・発酵食品:1日2〜3種類
    ・大豆製品と食物繊維はセットで

  3. 腸内pHを6.0〜7.0に保つ
    ・発酵食品で弱酸性を維持
    ・食物繊維で短鎖脂肪酸を産生
    ・バランスの良い食事

🔸覚えておきたい黄金ルール

大豆製品 + 野菜・海藻・きのこ = エクオール産生成功!

食事だけでなく、運動・睡眠・ストレス管理などの生活習慣も、エクオール産生には欠かせません。

次回予告

次回は、具体的な生活習慣の改善方法と、非産生者が産生者になるための3ヶ月実践プログラムをご紹介します。

「エクオール産生を高める腸活実践ガイド生活習慣編:3ヶ月プログラムで産生者に」

お楽しみに!


※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療アドバイスではありません。更年期症状が重い場合や、健康上の不安がある場合は、必ず医療機関を受診してください。


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